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憲法

通信の秘密

[問題]

通信の秘密について述べなさい。

  1. 通信の秘密
  2. (1)意義

    通信の秘密とは、手紙、電話、電子メール等による当事者間の情報伝達が、当事者以外に知られないことをいい、憲法21条2項後段によって保障されている。

    (2)趣旨

    当事者間の情報伝達の秘密を保護することにより、個人のプライバシーを守ることにある。

    (3)内容

    ア 公権力による調査行為の禁止

    公権力が通信の内容等について調査することは、原則として禁止される。

    イ 通信業務従事者による漏えい行為の禁止

    通信業務従事者が、公権力や私人に対し、職務上知り得た通信の内容等について漏えいすることは禁止される。この通信業務従事者には、日本郵便やNTTのような民間業者も含まれる。

    (4)限界

    通信の秘密は、公共の福祉(憲法13条)に基づく制約を受ける。

  3. 犯罪捜査と通信の秘密
  4. (1)刑訴法による郵便物の押収

    捜査機関は、被疑者が発信者又は受信者となっている郵便物等であって、通信事務取扱者が保管・所持しているものを差し押さえることができる(刑訴法222条1項・100条)。

    また、被疑者が発信者又は受信者でなくても、被疑事件に関係があると認めるに足りる状況にあるものは、これを差し押さえることができる(刑訴法222条1項・100条2項)。

    (2)通信傍受法による傍受

    ア 意義

    組織的な犯罪に対処するため、裁判官の発する傍受令状によって、当事者のいずれの同意も得ないで通信の傍受を行うことができる。

    イ 通信の秘密との関係

    通信の傍受は、重大な犯罪について、限定された一定の場合において裁判官の令状を得て行うものであり、通信の秘密に対する公共の福祉に基づく必要やむを得ない制約として、合憲であると解されている(最決平11.12.16同旨)